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筋電メディカル徒然日記

2021年04月16日

徒然日記 14
つまずき注意!

さて、ここまでは、私の体験ばかり書いてきました。本当は、まだあるのです!
60代の知り合いですが、先日大阪に出張し、帰りの東京行きの最終便の新幹線に乗るために急いだのでしょう。タクシーが大型で、車高の高い車だったと聞きました。ドアが開いた瞬間、もんどりうったらしいのです。悔しそうに言っていました。「躰が3度回転したみたい!何につまずいたか、わからなかったけど、一瞬失神したみたい!」
 
そう、60代になると、こんなことが日常茶飯事になります。私も、2センチくらいの出っ張りにつまずいたり、地下鉄の階段を後1歩と思い込み2段踏み外したりします。これは、足の筋肉ばかりじゃない!目も遠視と乱視のごちゃまぜ、また脳も若い頃のように幾つかのことをいっぺんに考えられなくなり、何かを考えていると大事なことを疎かにしてしまいます。60代でそうですから、もっと年を取ると頻繁になり、当たり前になってしまいます。
筋肉の問題ではないと書きましたが、やはりその後、筋肉が敏感に動けば大怪我をしなくて済むというものですね。いや、もう最初から脳と筋肉、それを繋ぐ神経の問題かも知れません。
 
私が、今まで書いてきたこと、介護の問題ですが、これを読んでくださっている方のお歳にもよりますが、介護される側の方、また介護する側の方にとっては、大きな問題です。まだ、そこまでは行ってないと言ってもいずれ皆どちらも経験しなければなりません。
 
街でよく奥さんらしき人がどんどんと先を歩き、旦那が息せき切って後を追う姿を見かけますね! 優しそうな女性は、ときどき立ち止まって後ろを振り返り、立ち止まって旦那が追いつくのを待っている。ゼイゼイと旦那が追いつく。あぁ、旦那として見限られているような夫の妻は、後ろも振り返らず、待ってもいない!私は、そんな光景をよく目にします。後者の夫は、きっと若い頃に妻が怒るようなことを幾度もやったに違いない。どちらにしても悲哀を感じます。きっと、私が男だからでしょう。見ている時は、前者はホッコリとした気分になり、いいなぁと思いますが、考えてみれば、男の側としては、そうは違いない。どちらにしたってゼイゼイと言いながら後を追わねばならないのですから!
我々の若い頃は、結婚も早かった。だから、同い年か、妻がほんの少し若いくらいだったんですねぇ。老人になってこんな仕返しが待っているなんて男たちは、誰も思いもよらなかったでしょうに!相当なお歳になれば、女性の歩き方も年寄りくさくなりますが、80代でもしゃきっと歩いている女性が多いと思います。男の方が先に爺さんになるのでしょうか?男女の差なんでしょうか?
 
私の住む湾岸のマンションは大きくて、5000人くらいの人が住んでいるようです。住んでいる人のためにコンビニが中にあって、それでも経営が成り立つのですから、そのくらい住んでいるのでしょう!マンションのラウンジや廊下ですれ違うのですが、あの人は脳の病で上手く歩けなくなっているなと思われる人も沢山いて、大部分が男性です。いや全てなんです。どうしてでしょうか?そんな男の方々も若い頃には、野球やラクビー、水泳に興じていたはずでしょ?ある年齢になると、子供を奥さんに任せて、祭日、休日には、さっさとゴルフに出かけていたはずです。それが年を取ると男性は、そうなってしまう!

高松市菊池寛記念館名誉館長
文藝春秋社友
菊池 夏樹