FAQ

一問一答


筋電メディカル 提唱者 森谷敏夫の一問一答


筋電メディカルについて、さまざまな企業の方からいろんな質問をよく受けます。
今回はその中で、特に質問が多かったものをとりあげてみました。
答える人は、もちろん、EMS開発の第一人者である京都大学名誉教授の森谷敏夫です。

Q1 糖尿病血糖コントロールと筋肉の関係を教えてください。

筋肉は最も大量の糖質と脂肪を消費する“臓器”です。
我々が摂取する糖質の70%は筋肉で、20%が脳で消費され、残りの10%を心臓、腎臓、その他の臓器で消費します。 特に、糖尿病は筋肉の代謝疾患で、一日中、運動せずに座ったままだと筋肉が糖を十分消費しきれず、余った糖質は膵臓を酷使してインスリンを分泌し、糖代謝を促進しようとします。運動不足の方は来る日も来る日も運動しないので余剰の糖質は上述のメカニズムで膵臓を酷使し続け、やがて10年から20年かけて糖尿病が発症するのです。歩くだけで血糖は安静よりも3倍も消費されます。 EMSでの電気刺激なら速筋(糖質と水が結合したグリコーゲンを大量に貯蔵)を刺激するのでグリコーゲンが分解され、その分解されたグリコーゲンは運動後に血中のブドウ糖を取り込んで再合成されるので、運動後の血糖値が抑制されるのです。 電気刺激や筋トレでは強度にもよりますが安静時の10倍以上も糖代謝が起こります。


Q2 筋肉をつくると認知症に効果が見込まれるとありますが、具体的にどのようなことなのでしょうか。

最近の研究では、運動トレーニングで筋肉が活動している時に、筋肉から遊離したイリシンの作用でヒトの認知機能や記憶を司り海馬内に「脳由来神経栄養因子(Brain Derived Neurotrophic Factor: BDNF)の遺伝子が発現することが明らかにされています。人や動物実験でこの遺伝子は海馬に新しい神経細胞を増殖したり、学習・記憶機能を亢進させることが報告されています。それ以外にも認知機能に寄与するインスリン様成長因子(IGF-1)が筋トレで増加することが報告されており、アルツハイマー型認知症を発症させるβアミロイドと逆相関することが明らかになっています。つまり、筋トレはBDNFやIGF-1を増加させることによって認知機能の維持改善やアルツハイマー型認知症の予防・改善につながることが臨床試験でも明らかになっています。


Q3 EMSは何分の使用・どのくらいの期間(何日おき)の使用で効果が現れるのでしょうか?使用者本人で自覚できるような効果、または測定器などで明確になる効果を教えてください。

ヒト試験の結果ではEMSを20分(主に筋肥大)もしくは30~40分(糖・脂質代謝、脳由来神経栄養因子)週5日、8週間で統計学的にも有意な差が実現できます。これらの臨床試験では超音波装置での筋厚、筋力測定装置による各筋群の最大筋力測定、歩行速度、QOL等が大幅に改善したことを国際誌の論文で報告しました。また、採血により得られた血糖値の有意な減少や記憶や認知機能を向上させる脳由来神経栄養因子の遺伝子が有意に増加して、体脂肪の減少と筋肉の増量も有意に起こります。
ただ、これらの検査や測定は臨床試験で行うもので、一般的には自覚QOL、歩行速度、階段の昇り降り、などを介して効果を自覚していただくのが妥当だと思います。 ちなみに、現在いろいろなところで販売されているEMS機器は、一般的には約20分間の使用を原則としていますが、学術的には筋肉量アップには正味5分間の刺激で十分だと思っています。 なぜかというと、ウエイトトレーニングでは重い負荷を10回3セット使ってトレーニングするのが原則です。この場合、1回重量物を持ち上げた時に筋肉が活動している時間は長くて2秒程度です。10回やって20秒、3セットやってもトータルで60秒。つまり筋トレは筋肉を1分間強く刺激すれば筋肥大が起こせるのです。EMSは原理的には、もっとも太く強い筋線維を選択的に刺激できます。なぜなら、この筋線維は太い神経によって支配されており、EMSのように皮膚表面から内部に電流を流すとオームの法則により、太い神経は最も電気抵抗が小さいので、これらの筋線維が活動することになります。これが高齢者にも筋トレ効果が享受できる理由なのです。 刺激強度や年齢、その方の体力などによって効果の出方が異なりますが、基本的には運動不足の人ほど効果が出やすいことは報告されています。多くの研究で6~8週間で顕著な効果が報告されています。使用頻度も段階的に増やしていくのが一般的です。


Q4 EMS使用時は、やはりアドバイザーが付いていたほうがいいのでしょうか。

一般に市販されている低周波治療器と同じ家電品と同じなので、ガイドブックを見て使用すれば何ら問題はないと思います。


Q5 人の年齢や体力により強度、周波数等変える必要があるのでしょうか?またそこに応じてこれ以上の強度・周波数・時間を使用するのは危険、という限度のようなものがあるのでしょうか。

基本的には老若男女、筋肉は太い細いはあってもほぼ同じ構造ですので、筋肥大では最適な20Hz前後、エネルギー代謝を亢進するには4Hzがベストです。京大時代に、森谷が数百名の実験や臨床で使っていたEMSでの有害事象はゼロです!筋トレと異なり筋肉に重い外部負荷をかけて収縮させるわけではなく、「力こぶ」を作るような刺激なので関節や筋肉を傷めることは一切ありません。


Q6 EMS機器(電源等)の定期的なメンテナンスは必要でしょうか?不特定多数が使用する場合です。

EMS機器は故障や劣化する部分はあまりないと考えますので、定期的なメンテはあまり必要がないと考えております。