2023年02月24日
徒然日記 109
歯も身体の一部
前厄の年だったから40歳か41歳のころだったと思う。30数年前のことだったので、旧暦で数えたのか新暦で考えたか忘れてしまった。
急に腹が痛くなり、転げまわった!たぶん、私の今までで一番忙しい時だったように思う。いろいろここぞと思われる大学病院を廻ったが、どこも大した問診はなく医療器械任せだった。23番窓口へ行け!とか、地下にあるレントゲン室へ行け!とか、医者に命じられ、大病院の中をウロウロと廻っていた記憶がある。最後に元の診療室に行くと、医者が怪訝な顔をして「うぅ、何でもないみたいですよ!」と『あんた、この忙しいのに仮病でも使っているんじゃないの?』疑っているようにもとれる言い方をする。
腹痛は、時々起こった。激痛である。何軒かの大病院を渡り歩いたが、答えはみな同じで最後の病院では、胃カメラを呑まされそうになった。順番を待つ椅子に座って、あと何人かで自分の番になるような時、突然、喉が詰まって吐き気がした。私は、口の中に異物を入れると考えただけでも気持ちが悪くなる脳の持ち主だと前から知っていたが、腹痛には勝てなくて胃カメラに挑戦しようと思っていた。が、ダメだった!まだ、胃カメラ室の外である。
そう言えば、子供のころに、よく扁桃腺が腫れた。虚弱児だったかも知れない。昔だから、医者は、ヘラのような物で舌を押さえ、私の喉を覗き込もうとする。考えただけでも、ウェ~!だった。大人になっても、その体質は変わらない!胃の中に入れるチューブを見ただけでウェ~!と、なっていただろう。私は、その病院のお仕着せ寝間着を脱ぎ、書類をナースステーションに投げ込み、嘘を言って逃げた!
腹痛になる間隔は、短くなっているように思われた。その病院は、私の父が好きだった、言わば、我が家の主治医的な病院だった。眼下に神田川が流れる4階建て、さほど大きな病院ではない!院長も婦長も顔馴染みだった。が、私は、信じていなかった。もう行く所も無く、仕方なしに、その病院を訪ねた!
院長は、問診を始めた。「お腹の痛いのはわかりましたが、別に痛いところは?」他の大病院では、訊いてくれなかった質問だった。「あの、背中、肩甲骨のちょっと下」私が答えると「そりゃ胆嚢だよ」と言って、別の部屋に入れられ、背中やお腹にヌルリとしたジェルを塗られ、デカい万年筆のようなもので、塗った部分をなぞられた!「胆石だね、貴方は今忙しいと言ったから、本当は手術で胆嚢を取るのが一番だけど、薬で溶かしてみようか」私は、賛同した。手術なんて経験も無いし、薬で溶けたら一番だもの!約1年続けた、しかし、胆石は溶けずに、歯科医から「貴方の歯は、硬くて良い歯をしてますね」と言われていた歯が溶けた。食事をしていて、続けて2本も抜けたこともある。
今、講演の仕事もある私にとって歯は、重要で、保険の利く入れ歯は、加齢に伴っての活舌の悪さに拍車をかける。ちょいと贅沢な感はするが、仕事なら仕方がない。上の入れ歯は、1年前に変えて具合がいい!今、15分後に下の入れ歯が出来る!この原稿を書いている場合ではなくなった!ちょっと赤坂の名人歯科医に行ってきま~す!