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筋電メディカル徒然日記

2021年04月30日

徒然日記 16
体と脳を鍛えよう

昨日の木曜日、スタジオでドラムの自己練習をした後、スタジオのオーナーと立ち話をしました。
そのスタジオは、東京に3つしかないらしいビッグバンド用で、よくある街場の貸スタジオとは違います。私がそこで自己練習をするようになってから前後に、有名バンドのサックス奏者などと顔なじみになりました。そこは、結構プロたちが練習する特別なスタジオで、ひと部屋しかありません。ビッグバンドの雑誌を創っている編集部の1室なのです。
オーナーに私は、ドラムをやっても、やっても難しくて覚えられないと、愚痴ったのです。そうしたら、彼はひと言「認知症にならなくていいじゃない!」と答えました。
 
そうだ! 認知症予防のために、こんな辛い練習を始めたんだ! それに運動不足の解消にね!
ドラムは、手足すべてを使う楽器です。後期高齢者が始める楽器ではないかも知れません。自己練習を始めると、3時間近くはやっています。それを、週2回。家からスタジオまで1万歩近く歩きます。ドラムの椅子に座ると、後は3時間やっているので、両足は何万歩分歩いているのと同じになるのでしょうか?スマホには、カウントされないのでわかりませんが、かなりの歩数になるはずです。
 
はじめは、若い時代のドラムの経験から、きっと身体によいだろう! それに、いろいろなリズムで両手足をそれも別々に動かすのだから脳にもよいはずだ! そんな曖昧で、根拠もないままにやり出したのですが、森谷教授と知り合いになって確信が持てるようになりました。それは、森谷教授がおっしゃる幾つかのキーワードが、ドラムをやっていてよかったと思わせてくれた部分です。
 
例えば、教授は「筋肉は、かなり大きな負荷をかけないと大きく、強くならないよ!」と、おっしゃいます。週に2度とはいえ、1万歩分歩いて、両足でリズムに合わせてペダルを踏みます。歌詞だと「さくら~」は1小節ですから、「さくら~、さくら~、やよいの、そらぁは~」これで、もう4小節、ここだけでも右足は、バスドラムを16回敲いているわけです。
 
教授は「認知症予防には、よく運動する、ストレスをうまく緩和する。高脂肪食を避ける」と、教えてくださっています。もちろんドラムは全身を動かす楽器ですから、3時間もやれば相当の運動量です。認知症予防には、運動をして筋肉をつくることが大切らしいのです。ドラムは、私にとって遊びの延長ですから、涙が出るほど辛い時もありますが、ストレス発散の場ですし、75歳の後期高齢者にとっては、とてもよい運動になります。「昔、陸上部の短距離の選手で速かったんだぞ!」と言ったって、昔の名誉にしがみついているだけにしかなりません。だって、バス停に私が乗るバスが入ってきて、慌てて走るのですが、息も切れるし、心臓もバクバクです。たった50メートルも全速力で走れなくなっています。そんな足を鍛えてくれるのが、ドラムでした。
 
教授の話では、「脳は、鍛えることができる!」とのこと。鍛えれば、認知症予防につながります。脳の指令で、我々は、息を吸い、歩いたり走ったり、瞬きしたり、スキップだってできたりします。歩くのに、右足出して、次は左足なんて考えている人は、いませんよね。ハイハイから立ち上がってヨチヨチ歩きを習う! 脳に刷り込まれて自然に動けます。ドラムの練習も同じです! 同じフレーズを5回連続で敲くことができれば一丁上がりです!
自転車に乗るのと同じ!

高松市菊池寛記念館名誉館長
文藝春秋社友
菊池 夏樹