2021年08月27日
徒然日記 33
好きこそモノの上手なれ
私の家は、湾岸にある。湾は東京湾である。コロナの流行る以前、家の前は、屋形船の通る路であった。そこは緊急宣言が東京に出ると、静かな水路となる。水路といっても、もともとが東京湾で、対岸は中央区、少し行けばオリンピックやパラリンピックの選手村だ。左のほうが外海、そう太平洋に続く。右は昔、大川といった隅田川である。右前に聖路加タワーが見え、その先に東京スカイツリーが色を変えながらそびえ立つ。向かいの選手村の間には、オレンジ色と白の東京タワーがその美しいシルエットの顔を覗かせる。
東京からは西の方角である。天気のいい冬などは、運がいいと美しい富士が現れる。時間によっては黒富士が鮮やかで、買い物客や観光客が指をさす。
運河というか海の流れは、家の前で西に向かう。向かって直ぐが東京湾のメインストリートで、対岸が新橋や浜松町の辺りである。東京湾に入り、観光客を乗船・降船させる幾つかの名のある埠頭が並んでいる。家のある場所とそこの間が海だから、凄く近くに感じる。
毎日違った色に見えるのがレインボーブリッジで、以前はこの橋しかなかったが、いつの間にか2本の新しい橋が手前に掛かった。豊洲市場のための橋。このためにレインボーブリッジが直接見えない。橋の上は美しく見えるのだが、渡る“ゆりかもめ”や車のヘッドライトが昔は見えて、今より美しかった。
夏には、そのあたりで大きな花火大会が開催されていた。私の住むマンションの前は敷地内になるので、抽選で花火が見える場所を決めていた。むろん、海側の部屋も、54階の建物が2棟あるから、そこを買った住人は、充分に家のベランダで大輪の花火が見られる。しかし、普段は西日が強く冬は暖房要らずだが、夏はヘナチョコなクーラーでは役立たないようだ。
左に明るく見えるのがフジテレビ、その横に七色の光を放つ観覧車がある。お台場である。その向こうが先ほど書いた太平洋に続く路だ。
私は、夜8時頃と、真夜中に海に並行した遊歩道で海を見るのが好きだ。早いうちは、羽田を離着陸する旅客機が目の前を行き来する。最近、宣言が出てから屋形船の姿がなくなった。代わりに赤色灯が回るプレジャーボートが巡回している。海の警察だ。
夜、遊歩道にはジョギングする人たちが多い。私も元は、陸上部の短距離ランナーだったから走る姿を見慣れているが、好きでジョギングをしているのかしらんと訝る。健康のために好きでもないのに走る?そりゃ、長続きしない。私の知人も好きで年をとってもテニスをやる。この歳になって100メートルダッシュ、200メートルダッシュをすれば躰が壊れてしまう。〇〇のためにするというのは解せない。やることが好きでなければ、年をとった時に続かない。とにかく健康を気にするならば、無理しないことだ。
私は、最近ドラムが好きだと再確認できた気がする。67歳で師匠に付き、一から勉強させてもらっている。週に2回は自己練習のためにスタジオを借り、3時間あまり汗を流す。老人には、よい運動だし、認知症の予防にもなる。毎日海に出て、イヤホーンで原曲を聞きながらドラムの練習を頭でしているのが楽しい!