2021年07月30日
徒然日記 29
老いたるを自覚する
20代のころからの知人です。女性ですが、もうその頃から仕事が好きで、イケメンにも興味が無い。学生の頃は、ゴルフ部のキャプテンをやっていたという猛者です。彼女の話では、よく行ったゴルフ場は東雲にあったらしいのですが、閉鎖されてしまいました。今ですか?有明テニスの森になって、今回、拡張され、オリンピックのテニス競技に使われるそうです。
その女性、私と同じ年齢ですから、今年後期高齢者になったはずです。独り身を通して猛者ぶりを発揮しているのですが、先日友人と別れ、地下鉄のエスカレーターに乗ろうとしたのだそうです。
ここからは、彼女の回顧の言葉です。
「全く、覚えてないのよねぇ、目が覚めたら病院のベッドに寝かされていたの!それも、頚椎の2カ所が破損したんだって、もうゴルフに行けなくなっちゃった」
どうも、状況は看護師さんたちのほうが詳しかったようです。救急車の隊員も独り身の女性が失神しているので、いろいろ調べて、ようやく彼女の弟を見つけ出し、連絡を取ってくれたようです。彼女の首には、コルセットが巻かれ痛々しい。やっと声を出しているようです。
「私は、失神しちゃって、な~んにも覚えてないんだけど、見ていた人の証言によるとね、私がエスカレーターに乗ったとたんひっくり返ったらしいのよ!雨なんか降ってなかったと思う。ほんのちょっとヒールのあるパンプスを履いていたっけ、お気に入りなのに壊れちゃった!動いているエスカレーターに足を乗せたとたん30段くらい、そうそう、あの凸凹したエスカレーターの段を滑り落ちたらしいのよ!たまたまバッグが背骨のあたりに入って背中をカバーしてくれたから、脊髄は無事だったけどね、駅員さんがすぐに救急車を呼んでくれて、弟も病院に飛んできてくれたらしいのに、ぜぇんぜん覚えてないの、手術をしてくださったお医者様から、生きてるのが不思議だったと聞かされたわ」
確かに、そう言えば最近、彼女の顔を見ていませんでした。
私も時々駅の階段を降りる時に足を踏み外すようになりました。踏み外すではないかな?1段だと思って足を出すと、残りが2段だったりするのです。目が悪くなったのが原因でしょうか?それとも頭?老眼に乱視が混じると起きそうだけど、認知症のはじめの頃によく起こる現象だ!なんて、他人に言われたくないですよね。
とにかく、老人は、注意に注意を重ねても思ってもないようなことを起こすのです。躰は、ぶくぶくに膨れ上がり、それに引き換え筋肉は落ちているから、支えきれない。そして、いっぺんに2つのことができる集中力が欠如してしまっている。私は、彼女の話を聞いて、言いました。
まず、パンプスをやめよう!そして、足の裏全体で地べたを感じる軽い靴にしよう!いっぺんに2つのことをしようと思わないこと、老人であることを認識すること!
老人になることは、怖いことなのですよ!